クリエイティブシンキングコースとは
クリエイティブシンキングコースとは、自らの考え方をクリエイティブを武器に他者に面白く伝えるコミュニケーションと自発性を養う授業です。
絵や工作、表現することに、上手や下手、正解や間違いはありません。
作品の良し悪しよりも、思考や考え方を重視し、東京芸術大学生と楽しみながら創造的にあらゆる課題を解決し、アクティブラーニング学習法を取り入れながら、0から1を生み出し、1から100を考えます
今回の課題
今回の課題は
「どこかの、なにかの、細部を描く(描いた後は友達にクイズ)」
「困ってる人のプロダクトデザイン」
「無人島に持っていくモノを考える」でした。
今回は「どこかの、なにかの、細部を描く(描いた後は友達にクイズ)」に焦点を当ててレポートします。
「どこかの、なにかの、細部を描く(描いた後は友達にクイズ!)」
小学生の女の子はスタジオにある様々なモノの中から一つ選び、そのモノがモノとしてたらしめている細部=特徴を大きく描いてもらいます。
モノにはそれぞれ特徴があります。質感、色、形、匂い、食感、など、様々な情報を人は一瞬に認識、パズルのように組み合わせ、整理し、モノを特定のモノへと認識します。
しかし、モノの本質(他と一線を画すもの)は、実は細かいところ(細部)に宿っています。
例えば、人が「人間」を見る時、一瞬で人として認識します。
ただ、それが「田中くん」なのか「鈴木くん」なのか見る時に、細かい特徴を見ているのです。田中くんは右目の横にホクロがあるだとか、鈴木くんは髪の毛が天然パーマで、笑うと口が大きいだとか・・・
ドイツの美術史家のアビ・ヴァールブックが「神は細部に宿る」と言いましたが、まさにその通り。特徴や本質はそのモノの細部に宿っているのです。
小学生の女の子は、スタジオの中から「ホッチキス」を選びました。
ホッチキスをまずはじっくり観察してもらい、ホッチキスがホッチキスとしてたらしてめている現象を絵にいくつか描いてもらいます。

プラスチックのところ、キラキラ輝いてる金属のところ、ホッチキスが飛び出る穴の部分、など意外に特徴はたくさんあります、その中から3つの部分を描いてもらいました。
時にはホッチキスの芯を入れるところを開いてみて、その構造を考えたりします。

スケッチした後は、透明水彩で色ぬり。
最後はスタジオの友達に見せて、当ててもらいます。
もちろん、細部をクローズアップしているので、なかなかあたりませんが、答えのホッチキスを言った後に「あ〜!ホッチキスの、あの部分ね!!」と返事がきたらベスト!ですが、今回の絵を見せたところ「・・・なるほど・・・」と少し困惑気味・・・でしたが、それも勉強になったと思います。
「どこの細部が、人に伝わる特徴なのか」つまり「そのモノの本質」というのは人からフィードバックをもらわないとわかりません。自らの視点が人と合致するとは限りません。
色や形をものから抽出し、人に見せて共感してもらう。
これが今回の課題の意図です。自分の視点と他者の視点をすり合わせ、説得力を平面で表現しました。
「無人島に持っていくモノを考える」
体験に来た男の子2人は緊張しながらも、「無人島に持っていくモノを考える」課題を行いました。

まずは先生の説明を聞きながらストーリーを構築します。
もちろん、答えや正解はありません。妄想を膨らませ、自分の好きなことや興味があることを作品作りに反映します。ただ注意点は、「人に伝える」「共感を生む」ことを考えてもらうということです。
人に説得するには筋道をたて、論理的に思考しなくてはいけません。
男の子は2人はそれぞれ、
「伝説のカマキリを捕まえにいく」
「強烈な匂いを発する草を狩に行く」というストーリー作りあげ、
それに必要な適切な道具を完成させました。最後は、その道具の説明をして終了。